2014年の1月も今日でおしまいとなりました。あっという間ですね。そこで今年の元日早々に私が死にそうになった話をしようと思います。
事の発端は去年の12月、2013年もあと数日というところで思いついた「初の日の出を由布岳で見よう」という考えでした。由布岳というのは大分県にある標高1580mの火山で、温泉で有名な由布院が麓にあります。
早速由布院で一番安い宿をとって12月31日夕方、由布院入りしました。着いてびっくり、山頂は雪で覆われているではありませんか。まあなんとかなるだろうと1月1日午前3時に登頂を開始しました。
ひたすら登ります。夜の山というのはとても恐ろしいところです。木々で星々のか弱い光は遮られ、文字通り漆黒の闇が周りを支配しています。闇に心臓が侵食され圧死しそうになります。一度も登ったこともない山を夜に登るというのは明らかに誤りでした。
標高が上がるにつれて雪は深くなり寒くなってきます。そして出発から1時間後、完全に迷ってしまいました。地図など持ってきていません。私はたとえ間違いが途中で明らかになっても計画を放棄するよりは失敗しても遂行する方に重きを置く性格です。がむしゃらに登り続けます。
足跡を発見!追跡します。しかし15分後に見失いました。さらにがむしゃらに登り続け、30分後に再び見つけます。
街の光が見えます。寒く、暗く、周囲は荒涼としていて立っている場所は恐ろしい急斜面ですが、不思議なことに妙に落ち着く雰囲気があります。
不幸中の幸いなのは靴が頑丈な登山靴だったことでした。ずぼらな私は年百年中この靴を履いていたのです。そしてついに正規の登山道にでました。
出発から3時間後、滑る斜面を四つん這いで登り続けついに火口につきました。手袋などしてないので手が切れたように痛いです。
火口の西峰に行ってみます。写真の場所から1歩前進すると断崖絶壁、眼下には恐ろしい闇が口を開いて待っています。標高1500m以上、風がビュウビュウ吹いて立っていることすら儘なりませんでした。あわてて引き返します。
他の登山者が到着しました。 世間の人があけおめしているころ、極寒の中でブルブル震えながら3時間以上先の日の出時刻をひたすら待ちます。
周囲が明るくなってきました。ここにきて私はようやく自分が場違いなことに気づきました。他の登山者は撥水性の防寒具にピッケル、ヘッドライトにゴーグル、靴にはスパイク装備なのに対し、私といえばへちゃげて穴の開いたジーパンに安物のパーカー、手袋すらしてないというありさまで、どう見ても冬山登山というより深夜にTSUTAYAに行く格好でした。どこでもドアで家から直接来ましたという感じです。
日の出を見るには東峰に登る必要がありましたが、断念せざるを得ませんでした。スパイクのない私の靴ではつるつる滑って無理だったのです。結局日の出を見ないで下山することになりました。
火口から見下ろしたところです。まあよく登ったものだと思います。
これは火口の写真です。
帰りは登山道を伝って戻れました。急斜面では滑るので、尻もちをついてそりのように下るしかありませんでした。
ボンヤリ初日の出が見えます。下るときにはとても美しい景色が楽しめました。
茶色と青色がいい感じです。私はこの色の組み合わせが好きです。
暖色と寒色の対比もいいですね。
谷を下る水の色は、驚いたことに、本当に青色でした。
空気は冷たく、凛としています。こういう荒涼とした景色が最も好きです。
ほうほうの体で下山し、温泉に入って帰りました。
遭難しなくて良かったです。たぶん私のような自分勝手な登山者が遭難して迷惑をかけるのでしょうね。己の頑固さで身を滅ぼすところでした。反省しないといけません。
1 件のコメント:
こんにちは。
いつもPixivで綺麗な絵を楽しみにさせて頂いてます。
大変な経験をなされましたね。
五体満足で帰ってこれたのは本当に奇跡です。
しかし次からはこのような経験をしないと思えばいい思い出ですね。
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