こういう風な色を多く使った絵を描くのは初めてで挑戦的だった。分かったことは多色を使っても基調となるなる色を設定することが統一感を出す上で大事だと言うことだった。基調となる色は面積比などで定めることが出来、今回は赤を基調としてみた。ただしあまり基調が目立っては面白みがなくなる。考え方としては基調の色のまっただ中にも「飛び地」を作って、他の色を挿した方がいいかも知れない。近景の床の青は質感としてはいいけども弱く見える。この部分は水彩色鉛筆を使ってみたが、他の部分がきちんと塗られているだけに貧相に見えてしまう。白としての余白はうまく余らせた。今後も全て塗りつぶすことなく、余白を残すように留意したい。遠近感をもっと出せれば良かった。遠くは霧がかかったように描けばよいかもしれない。この場合の霧は必ずしも白である必要はなく、例えば赤の霧なら遠くのものほど赤い単色で表現されることになる。
人物の表情についてはもっと丁寧に考えて描くべきだった。主題が絵を損なってしまっている。影・陰の付け方は上手くいった。絶対領域周辺のグラデーションは美しいし、胸の暖色と寒色を併用した陰は深みがある。